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Wednesday, January 20, 2010

【陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)によるハイチ地震にともなう緊急観測(2)】:宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター

【出展引用リンク】:

http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/img_up/jdis_pal_haiti_100116.htm

【引用始め】以下の通り
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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)によるハイチ地震にともなう緊急観測(2)
2010年1月13日(水)午前6時53分頃(日本時間、以下同じ)に中米のハイチで発生したマグニチュード7.0(USGS発表)、震源の深さ約10kmの地震による被害状況を把握するために、宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)は、1月16日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による緊急観測(2)を実施しました。本観測では、2009年2月28日に取得した同じ軌道からの画像と比較した、被害域抽出及び地殻変動検出を実施しました。「だいち」は当該地域を夜間に南から北へ飛行しながら、震央からやや西の領域を観測しました。
図1:2010年1月16日陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)により観測された地点の全体図。赤枠は図2、青枠は図6の観測領域、赤い星印は本地震の震央位置。
図1: 全体図(数値標高データはSRTM3を使用)(クリックで拡大画像へ)
赤枠は図2、青枠は図6の観測領域を示します。赤い星印は本地震の震央位置を示しています。

1. 被害域抽出
変化抽出解析として二時期(地震前後)のPALSAR強度画像の差分解析を行いました。
図2:地震前(2009年2月28日観測)のPALSAR画像を赤色に、地震後(2010年1月16日観測)のPALSAR画像を緑色と青色に着色してカラー合成した変化抽出画像
図2: 地震前後のPALSAR変化抽出画像
(クリックで拡大画像へ)
図2は、PALSARによる地震前後の変化抽出画像です。この画像は、地震前(2009年2月28日観測)のPALSAR画像を赤色に、地震後(2010年1月16日観測)のPALSAR画像を緑色と青色に着色してカラー合成しているものです。画像中赤や青に色づいている領域では、2枚の画像が重ならない、もしくは明るさが変化している場合に対応しますので、地震前後に地表に何らかの変化が生じた可能性があります。
図3:地震前(2009年2月28日観測)のPALSAR画像を赤色に、地震後(2010年1月16日観測)のPALSAR画像を緑色と青色に着色してカラー合成した変化抽出画像(図2)の拡大図
図3: 変化抽出画像(図2)の拡大図
(クリックで拡大画像へ)
図3は図2で明瞭な変化が見られた地域の拡大図です。地震災害によりレーダの反射が弱くなった場合には赤色に着色した地震前の画像が強調されることになりますので、都市域で赤く見える場所では建物等の倒壊が起こった可能性があります。図7は同じ領域の地殻変動図ですが、明瞭な干渉縞(虹色の縞々)が確認できます。後述するようにこの辺りでは30cm程度の地殻変動(東西方向)があったとみられ、これが建物倒壊に関係した可能性があります。
図4左:グラン・ゴアーブ付近の拡大図(図3中右赤枠)図4右:カラー合成画像
図4左: グラン・ゴアーブ付近の拡大図(図3中右赤枠)、図4右: カラー合成画像
(クリックで拡大画像へ)
図4は、グラン・ゴアーブ付近を拡大した画像で、左図は地震後の強度画像、右図はカラー合成画像です。右図中の市街地において赤く見える点状の部分が多く、地震により建物等が倒壊したことが考えられます。(注: SARでは建物は点状に見えます)
図5左:プティ=ゴアーブ付近の拡大図(図3中左赤枠)、図5右:カラー合成画像
図5左: プティ=ゴアーブ付近の拡大図(図3中左赤枠)、図5右: カラー合成画像
(クリックで拡大画像へ)
図5は、プティ=ゴアーブ付近を拡大した画像で、左図は地震後の強度画像、右図はカラー合成画像です。 上記グラン・ゴアーブに比べて赤く見える部分は少ないのですが、それでも少なからず変化が見られます。

2. 地殻変動検出
地殻変動検出のため、地震前後に取得したPALSARデータの差分干渉解析を行いました。
図6左:地震前(2009年2月28日)と地震後(2010年1月16日)の画像を比較したPALSAR差分干渉画像
図6右:地震後(2010年1月16日)の強度画像

図6左: PALSAR差分干渉画像、図6右: 地震後PALSAR強度画像
(クリックで拡大画像へ)
図6は地震前(2009年2月28日)と地震後(2010年1月16日)のPALSARデータから得られた差分干渉画像(地殻変動図)、図6右は地震後の強度画像を示したものです。
図7:地殻変動画像(図6)の拡大図(図3と同じ領域)。
図7: 地殻変動画像(図6)の拡大図(図3と同じ領域)
(クリックで拡大画像へ)
図7では、震央から西に約20km離れた海岸(図6左)に沿って明瞭な干渉縞が確認でき、矢印の方向に向かって少なくとも3周期=35.4cmの地殻変動があったことが分かります。本地震のメカニズムは主に左横ずれ断層と推定されることから、西向きの水平変動があったと思われます。また図6より、その南側に逆パターンの干渉縞が見えます。
(注1) 図7で、矢印の根元から先に向かって緑→黄→赤→青→緑の色の変化(緑の領域から緑の領域まで、ここまでで1周期=11.8cm。この順番の色の変化は地面が西上空から観測している衛星に近づく変動を表わします)が約3サイクル確認されるため、およそ35.4cmの衛星に近づく地殻変動(西向きの水平変動、もしくは隆起)があったと推定されます。
(注2) 軌道情報は暫定軌道情報(予測値)を用いました。
JAXAでは今後も「だいち」によるハイチ地震に関する観測を継続していく予定です。
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【引用終わり】以上の通り

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